EXHIBITIONS
Stephen Gill「Stephen Gill」
2026.9.11(Fri)-2026.11.8(Sun)
スティーブン・ギルは、写真を「世界を記録するためのもの」から、「世界とともにイメージを生み出すためのもの」へと拡張してきたアーティストです。
《Hackney Flowers》では、ロンドン東部のハックニーで撮影した写真に、同じ地域で採集した花や種を重ね、さらには写真を土に埋めることで、時間や土地との協働を制作に取り込みました。《Talking to Ants》では、撮影場所で見つけた植物や昆虫などをカメラ内部に入れ、意図せず生じた影や痕跡を風景とともにフィルムへと定着させています。また、《Please Notifythe Sun》は、ギル自身が一匹の魚の体内に入り込むという「探検」を通して制作された作品です。
その探求がひとつの到達点として現れるのが、《The Pillar》です。スウェーデンの農地に一本の木製の杭を立て、その前にモーションセンサー付きのカメラを設置。ギル自身がその場に立ち会うことなく、杭に集まる鳥たちがカメラに収められました。
羽ばたき、休息、羽づくろい、飛び立つ瞬間──そこに写るのは、写真家が決定的瞬間を選び取った結果ではなく、鳥と偶発性、そして装置との出会いによって生まれたイメージです。
ギルは、写真家の「撮る」という行為を少しずつ手放し、自然そのものや偶然に作品を委ねていきます。そこには、写真をコントロールするのではなく、写真が生まれる状況そのものをつくるという彼独自の姿勢があります。ギルの写真に向き合うとき、私たちは、写されたものの背後にある出来事や時間にまで想像を広げることになるでしょう。
スティーブン・ギル
1971年イギリス・ブリストル生まれ。幼少期から写真と自然に関心を持ち、父親から写真の現像やプリントの技術を学ぶ。写真はほどなくギルにとって重要な自己表現の手段となり、1997年からフリーランスの写真家として活動を始めた。長年、ロンドン東部のハックニーを拠点として、都市や自然、偶然性をテーマにした《Hackney Wick》《Buried》《Hackney Flowers》《Talking to Ants》などの実験的な作品を発表し、2005年には、自身の出版レーベルNobodyを設立。編集から印刷、製本にいたるまでの出版に関わるすべての工程を自ら手がけ、これらの作業そのものが彼の芸術活動において重要な役割を果たしている。近年は、スウェーデン南部を拠点に、《Night Procession》や《The Pillar》などを制作した。彼の作品は世界各地の主要な美術館・公共コレクションに収蔵されており、テート、ヴィクトリア&アルバート博物館、ストックホルム近代美術館、ナショナル・ポートレート・ギャラリーなどで観ることができる。
art cruise gallery by baycrew’s
(アートクルーズギャラリー バイベイクルーズ)
- 住所
- 〒105-5503
東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー3F
SELECT BY BAYCREW’S内 マップを見る - 入場料
- 無料
- 営業時間
- 11:00-20:00(19:30Last entry)
- 休廊日
- 9/10まで休廊・9/11よりOPEN