EXHIBITIONS

葛飾北斎「PLAY w/ HOKUSAI」

2024.2.29(Thu) – 4.21(Sun)

全国各地に点在していたとされる北斎の弟子たちに、自身の技術を伝えることを目的に描かれた全15編の絵手本『北斎漫画』。その卓越した描写力と大胆な構図で描かれた多種多様なモチーフは、国内外、さまざまな画家に影響を与えました。モネ、ドガ、セザンヌ、ゴーギャン、ゴッホなどの世界中の名だたる巨匠の絵画からもその影響を見て取ることができます。

また、『北斎漫画』は現代の「漫画」のルーツになったとも言われており、「事物をとりとめもなく気の向くまま漫ろ(そぞろ)に描いた画」という意味の語源でもあります。芸術性の高い北斎の“気まま”は、絵手本の枠を大きく飛び越え、庶民も大名も、武士もお金持ちも、分け隔てなく楽しむことができた江戸時代のベストセラーとなりました。

今回、そんな『北斎漫画』からセレクトしたのは、北斎の”遊び”の部分が強く表出した、絵画的な要素の強い作品群。

展示タイトルにもあるとおり、PLAY=遊ぶように北斎が描いた、自由奔放な森羅万象の世界に入り込むようにデザインされた会場内の空間演出にも注目してみてください。


本展のメインビジュアルに用いた『奔虎』は〈art cruise gallery〉が位置する虎ノ門にちなんで。『北斎漫画』十三篇に収録。

本展にご協力してくださったのは、『北斎漫画』の世界一の蒐集家であり、日本橋で東洋古美術の専門美術商・浦上蒼穹堂を営む浦上満氏。50年以上かけて蒐集してきた大切なコレクションの一部を、本展のためにご提供くださいました。

オープニングディレクションを務めたのはART&REASONの佐々木真純氏、クリエイティブディレクションはグラフィックデザイナー/アートディレクターのおおうちおさむ氏に担当していただきました。 「セノグラフィー」という方法論を用いて展示会場の空間デザインからポスタービジュアル、作品選定までを担っていただいたおおうち氏に、本展のディレクションにあたって以下のようにコメントをいただきました。

「BAYCREW’Sは僕のなかで 、ファッションや飲食 、家具を通して幅広く全世代の人たちの暮らしを豊かにしている企業、というイメージがあります。そういった僕にとってのBAYCREW’S像とart cruise galleryが位置する虎ノ門というロケーションとを照らし合わせた際に、日本の浮世絵師が描いた、世界中で高く評価されている大衆芸術 ( =「 北斎漫画 」) をフィーチャーすることは 、すごく意味のあることだと思えたし、必然性を見出すことができました」

nano/nano graphics 代表取締役

おおうちおさむ

1971年生まれ。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒、東京在住。(故)田中一光に師事し、無印良品、資生堂、ISSEY MIYAKE、サルヴァトーレ・フェラガモ生誕100周年プロジェクトなどのポスター・グラフィック・空間デザインなどを手がけており、時代の象徴的になる制作を数多く生み出している。2003年に有限会社ナノナノグラフィックスを設立。グラフィックからスペースデザインまで幅広い活動を行う。長野県松本市にて自身で立ち上げた「マツモト建築芸術祭」の総合プロデューサーを務め、この先も毎年冬に開催予定。

株式会社ART&REASON代表

佐々木 真純

1980年生まれ。高校卒業後、米国・カリフォルニア州の大学に留学後、出版社、広告代理店にて勤務した後、日本で初めての現代美術ギャラリー、東京画廊+BTAPでの勤務を経た後、Fmの立ち上げに参画。2018年にArt and Reason Ltd.設立。アーティストのマネージメントや展覧会の企画・運営等を手掛けるほか、トップギャラリーとのネットワークを活かし、オンラインにてアートの販売・レンタルを行うプラットフォームClubFmの運営、商業施設のウインドウディスプレイでのアート展示、ホテルのアートディレクション、文化庁の調査事業に関連した企画展示、映画で使用する絵画の選定などを手がけている。

SCENOGRAPHES

EXCLUSIVE ITEM

住所
〒105-5503
東京都港区虎ノ門2-6-3 虎ノ門ヒルズ ステーションタワー3F
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入場料
無料
営業時間
11:00-20:00(19:30Last entry)
休廊日
不定休